【美の風土】小出楢重 重苦しい家族の肖像

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 神経質そうにたばこをくゆらせるやせこけた男と、伏し目がちにうつむく女の間にちょこんと座った幼い子供。自らの家族の肖像を描き、洋画家、小出楢重(ならしげ)の名を世に知らしめた作品「Nの家族」だ。

 しかし、どこか幸福感のない家族の情景…。画面いっぱいに充満するこの重苦しい空気は、いったい何なのだろう?

 そのころの楢重は、文展(文部省美術展覧会)に何度も出品するが落選を重ねる辛酸をなめていた。どん底の中で結婚し、男児をもうけ、生活をかけた「今度こそ」の強い覚悟が、厳しい雰囲気となって切々と訴えかけてくるのかもしれない。

 この作品は、楢重が新婚時代を過ごした奈良で出会ったある作家に後押しされ、画家人生の扉を大きく開くことになる。
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31歳のデビューだった。

 ≪奈良で踏み出した人生の一歩≫

 奈良公園にある料理旅館「江戸三」。10軒の離れからなり、明治、大正、昭和初期にかけて多くの作家や画家が逗留(とうりゅう)した。そこは、大和の風景を好んでモチーフとし、新婚時代を過ごした小出楢重と関わり深い場所でもある。

 「文化芸術をこよなく愛した初代の人柄もあったのでしょう、当時は志賀直哉や小林秀雄、藤田嗣治ら多くの芸術家がうちに滞在しました。楢重氏は数年間ここに逗留され、奈良公園を散策して、絵画のインスピレーションを得たようです」。江戸三の4代目社長、大和隆はこう語る。

 楢重は風土の影響を色濃く受けた画家だ...

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(引用 yahooニュース)


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